CH060329 2006年3月29日 オリキャンキャンドルサーヴィス
コリントの信徒への手紙一13章1−13
「信仰・希望・愛」
新入生の皆さんは、関西学院大学に入学されることになり、今は希望に満
ちあふれているのではないでしょうか。
関学に入って何をしようか、といろいろ考えているのではないでしょうか。
一生懸命勉強して、いい企業に就職したい、と思っている人もいるでしょう。
また、クラブに入って、自分の得意とすることを磨きたいと思っている人も
いるでしょう。
関西学院では、そのような希望を必ず叶えてくれると思います。
各学部において、社会に役に立ついろいろな知識を学ぶことができます。
そしてそのような知識を身につけて、社会で活躍している関西学院の卒業生
が大勢おられます。
また、関西学院には、素晴らしいクラブが沢山あり、全国的に評価されてい
るものもあります。
そういうクラブに入って、自らの才能に磨きをかけることもできます。
そして皆さんは、関西学院において、そのような知的なもの、スポーツや文
化的なものを多く学ぶことができると思います。
しかし、関西学院には、もう一つもっとも大切にしているものがあります。
それは、建学の精神です。
関西学院は創立者ウォルター・ラッセル・ランバスの意志を継いで、出発以
来キリスト教主義の教育を基盤としてきました。
関西学院は、このランバスによって1889年に創立されました。
そのときランバスは、弱冠34歳でした。
彼は、アメリカの南メソジスト教会から遣わされた宣教師でした。
当時日本は、アメリカから見れば、アジアの果て、まさに極東(far East)で
した。
まさに「地の果て」と思われるところでした。
そのようなところに、キリスト教を伝えよう、そしてキリスト教主義の学校
を建てようなどと思うこと自体が驚くべきことでした。
そこには、ランバスの熱意と彼を送り出したアメリカ・南メソヂスト監督教
会の祈りとがあったのです。
そこで関西学院では、この創立者ランバスの精神を大切にして、「キリスト教
主義に基づいて教育を施すことを目的とする」と定められています。
そして、この精神に基づいて、関西学院では、毎日1限目と2限目の間に
30分間チャペルが行われています。
そして、このチャペルの時間は、他の大学にはないもっとも関西学院らしい
ものだと思います。
そこで皆さんも是非、授業が始まったら、ぜひこのチャペルに出席し、もっ
とも関西学院らしいものに触れていただきたいと思います。
もう一つ、関西学院には、スクールモットーというのがあります。
それは、“Mastery for Service”というものです。
このMastery for Serviceという文字は、関西学院のあらゆるところに書かれていますので、キャンパスに行ったら是非見つけてください。
正面の時計台のところにも記されています。
これは「奉仕のための練達」と訳されます。
このモットーは、関西学院の第4代の院長ベーツ先生が、1912年に新設
の高等学部長に就任した時に提唱したものだ、と言われています。
Serviceというのは、奉仕ですが、「仕える」ということです。
ベーツ先生は、「人類の仕え人たらんことを目指す」と言われました。
皆さんは関西学院において高度な知識を身につけて、やがて社会に出て行か
れる訳ですが、その知識を単に自分のためだけに用いるのでなく、社会のた
め、人々のために役立てていただきたい、というのがベーツ先生の、そして
関西学院の願いです。
そして、関学の卒業生は、授業で習ったことは忘れても、この “Mastery for
Service”だけは覚えている、と言う人も多いようです。
そして、この精神でもって、社会に貢献している人が大勢います。
関西学院の正門をはいってすぐ右手にランバスチャペルがあり、その隣に
吉岡記念館という建物があります。
この建物は、この3月に竣工したばかりの建物です。
これは建て直す前は、宗教センターと言われており、まさに関西学院の建学
の精神であるキリスト教教育の拠点です。
建て直してからは、吉岡記念館といい、ここには宗教センターの他に神学部
の事務室なども一緒にはいっています。
ここは皆さんが自由にはいることができ、出会いの場としての機能がありま
すので、皆さんはここでいろいろな出会いを体験してください。
さて、この建物が吉岡記念館と名付けられましたが、これは関西学院の第2
代の院長吉岡美國から取られたものです。
吉岡記念館のラウンジのところに、この吉岡美國のレリーフが掲げられてい
ますので、是非ご覧下さい。
また、吉岡記念館をはいってすぐ右手に「信・望・愛」と書かれたレリーフ
もあります。
これは、吉岡美國が書かれたものをそのままレリーフにしたものです。
この「信・望・愛」は、信仰、希望、愛ということですが、これは先ほど読
んだコリントの信徒への手紙一13章13節の言葉です。
皆さんにとって一番大事なものは何でしょうか。
大学に入って知識を身につけること、友達、趣味、いろんなことがあると思
います。
しかし、人生においてもっとも大事なことは何でしょうか。
そして、チャペルにおいて、そのようなヒントが与えられるのではないかと
思います。
そして、聖書の言葉の中にその示唆を与えられるかも知れません。
このコリントの信徒への手紙一は、パウロというキリスト教を伝道した人が
旅の途上で書いたものです。
そしてパウロはここで、私たち人間にとってもっとも大事なのは、信仰と希
望と愛である、と言っています。
吉岡美國が、「信・望・愛」と書きましたが、それは恐らく吉岡も人生にとっ
て最も大切なものが、この信仰、希望、愛と思ったからでしょう。
そしてパウロは、その中でも最も大いなるものは愛である、と言っています。
8節には、「愛は決して滅びない。預言は廃れ、異言はやみ、知識は廃れよう」
とあります。
ここに「知識は廃れよう」とあります。
これは日々実感するものです。
特に最近の科学技術の発達は目覚ましいものがあり、私たちが学生の頃には
想像もしなかったようなものが次々と現れています。
パソコン一つにしても、今の学生でパソコンの使えない人は恐らくいないと
思いますが、私たちが学生の頃は自分のコンピューターがもてるなどとは思
ってもいませんでした。
知識を身につけるということはもちろん大切なことですが、せっかく身につ
けた知識もいつかは廃れるということもまた事実です。
しかし、パウロは、人生を生きていく上で、廃れないもの、永遠のもの、本
当に価値のあるものもある、と言います。
そして聖書は、その本当に価値のあるものを私たちに示してくれます。
しかし、実際のこの世の歩みにおいては、どれが永遠のものか、どれが本当
に価値のあるものかは、目先のものにごまかされて分からないのです。
鏡に映すように、おぼろにしか見えないので、どれが本当のものかみ分けが
つかないのです。
しかし、信仰によって、本当に価値のあるものに目が開かれていくのです。
私たちにとって、本当に価値のあるものは、やがて廃れてしまうのではなく、
いつまでも残るものです。
そしてそれは、信仰と希望と愛である、とパウロはいいます。
そして関西学院のキリスト教主義の教育を通して、私たちの人生にとって真に価値のあるものを身につけていただければ、と思います。